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LAB OS — PART Ⅱ 研究の設計 | CHAPTER 05

論文タイプ|信念のスコープと形式

Paper Types — 信念の形式は複数ある。問いと貢献のスコープから選ぶ

論文タイプは「格」ではない。信念のスコープが違うだけ

論文は成果ではありません。信念に対する説明責任の装置です(01章)。信念のスコープや目的によって、適切な形式は異なります。Original / Review / Technical / Short / Case Study / Perspective——これらは横並びで、上下関係はありません。同じ「信念」を、どのズームレベルで固定するかの違いです。「Original が偉くて Short は格下」という発想を、まず捨ててください。

研究フェーズによって、出す論文タイプは変わる

どのタイプを書くかは、研究がどのフェーズにあるかで大きく決まります。

研究フェーズ状態典型的な論文タイプ
仮説探索期問いは立ったが、主張はまだ小さいShort / Technical — 小さく固定する
仮説安定期主張が図で支えられるOriginal — 新しい主張を出す
軸確立期複数の論文を束ねる研究軸があるReview / Perspective — 問いを再設計し、立場を示す

博士は軸を持つ。その一つの形が Review です。Thesis は枚数ではなく、Paper 1 → Paper 2 → Paper 3 をつなぐ一貫した信念体系です(第8章)。

フェーズを見誤ると、探索期に Original を書こうとして図が足りずに止まるか、安定期に Short を書いて主張を切り売りすることになります。

問いと貢献から、タイプが決まる

03章の Core Question と04章の Key Contributions が決まっていれば、タイプはほぼ自動的に決まります。

タイプ貢献の数とスコープ主図の目安問いとの関係
Original2〜3、分野の信念を更新する3枚前後Core Question に正面から答える
Short / Letter1、限定的だが鋭い1〜2枚Core Question の一部、または強い比較軸1つ
Technical / Method手法そのものが貢献手法の性能と適用範囲「どう測るか・どう解くか」が問い
Case Study / Field Report1〜2、特定条件下条件と結果Core Question を特定ケースで検証
Review分野の Field Belief を書き換える構造図Framing-A 全体が貢献
Perspective立場と方向性概念図次の Core Question を提案する

1 原著論文|Original Research Article

2 ショートコミュニケーション|Short Communication / Letter

3 テクニカルノート/手法論文|Technical Note / Method Paper

4 ケーススタディ/フィールド報告|Case Study / Field Report

5 レビュー論文|Review Article

6 パースペクティブ/論説|Perspective / Commentary

形式から選ぶな。問いから選べ

Question → Format → Venue

  1. Question — まず問い。Core Question と Key Contributions が決まっている
  2. Format — 問いと貢献のスコープに合うタイプを選ぶ(上の表)
  3. Venue — 最後に発表の場を決める。学会か雑誌か、どの雑誌か。場の選び方と投稿の実務は Lab Forum Lectures「Writing Papers — Overview」、時期の目安は Notion Lab OS「年間の節目」

「あの学会に出したいから、こういう論文を書く」——順番が逆だと、だいたい迷います。

選ぶときの4つの問い:自分の Core Question は何か/貢献はいくつあり、スコープはどれくらいか/図で支えられるか/比較対象は明確か。

論文タイプを選ぶことは、自分の信念のスコープを決めることです。

著者・誠実さ・再現性の原理は06 研究の責任で、投稿実務は Lab Forum Lectures「Writing Papers — Overview」で扱います。
この章のまとめ:論文タイプに序列はなく、信念のスコープが違うだけ / フェーズに応じてタイプを使い分ける(探索期 Short・Technical → 安定期 Original → 軸確立期 Review・Perspective)/ 貢献の数とスコープがタイプを決める / 選ぶ順番は Question → Format → Venue