日本語 | English
LAB TOOLS — RESEARCH LOG & THINKING LOG

Research Log & Thinking Log

記録の道具 — 目的は共通、手段は各自
目的は共通、手段は各自。 The purpose is shared; the method is yours.

なぜ2種類に分けるのか

Research LogThinking Log
何を書くか何をやったか(事実)何を思ったか(違和感・疑問・仮説)
頻度毎日1件毎週月曜(3行でよい)
役割再現性・進捗・研究の責任問いの種を逃さない
誰が読むか未来の自分、チーム、指導教員まず自分

Research Log は「やったこと」の記録です。実験条件、解析の設定、読んだ論文、出た結果、次にやること。後から見返して「何をやったか」がすぐわかれば十分です。インタビューや実験が始まると、これは研究の責任として必須になります。

Thinking Log は「ズレ」の記録です。予想と違った、説明に納得できない、なぜか気になる。探究は違和感から始まるので、違和感を残さないと問いが生まれません。完璧な情報を残す場所ではなく、自分の違和感を残す場所です。

共通のルール

  1. 自分の言葉で書く。AIに要約させてもよいが、そのまま貼らない。50%を土台にして自分で編集する
  2. 続けることを優先する。気負わない。Thinking Log は3行でよい
  3. 後から探せる形にする。日付、タイトル、キーワードのどれかで検索できるように
  4. どこに置くかを決める。Notion / ローカル Markdown / Obsidian / GitHub、どれでもよいが、1箇所に決めて散らさない

メンバーの実例(2026年7月 Lab Forum より)

自分に合う形を見つけるための参考です。正解はありません。

A:Notion カレンダー + 夜に AI で要約
Notion のカレンダーで日ごとに記録。タイトルで内容がわかるように書く。帰宅時に Claude にその日の内容をまとめさせ、自分で修正・加筆して翌日に持ち越す。AI への質問事項も要約に含めるよう指示している。

B:Notion 週表示 + 長めのタイトル
週単位のカレンダー表示で、タイトルを長めに書くことで内容を記録。過去の検索には Notion AI を使う。

C:ローカル Markdown、箇条書き、3行
Notion は使わず、ローカルの Markdown ファイルで管理。1日に複数タスクがあるので箇条書き。「続けること」を重視し、気負わず書く。Thinking Log は3行程度。ファイルを Claude と共有して参照させている。

D:Obsidian、週次 Thinking Log、英語で
Obsidian で Weekly Thinking Log を作成。論文・教科書の読書ログと、ルールベースの Research Log を運用。自分の言葉で書き直すことを重視し、英語での記録も実践中。全データがローカルの Markdown なので、将来別の LLM に移行しても対応できる。

E:Notion + GitHub の分業
研究の概念・トライ&エラーは Notion に週ごとに記録し、コードが決まったら GitHub へ。Claude にコミットログの書き方ルールを設定し、規則に沿ったコミットメッセージを自動生成させている。

F:論文ごとの Notion スペース
論文ごとに Notion にスペースを作り、重要度・優先度・ステータスを管理。PDF を添付して自分の言葉でまとめる。AI ベースでまとめることもあるが、自分の文章で書くことを心がけている。

G:日次ログとテーマ別ページの分離
日ごとのログとテーマごとのページに分けて運用。最近は Claude との会話内容をそのままログとして残す方法を始めた。論文は章ごとの重みづけガイドを Claude に出させてから読み始める。

実験・解析の詳細ログ(Lab Notebook)

実験や解析をするときは、Research Log とは別に詳細ログを残します。

何を書くか:日付、目的、手順(機器・設定値・パラメータ)、結果(表・グラフ・写真)、考察、次のステップ。

記入例(Markdown / Jupyter)

# 2024/06/01 地熱流体の熱伝導率測定
## 目的
圧力変化による熱伝導率の変化を測定し、実験とシミュレーションを比較する
## 手順
1. TOUGH2 で 10 / 15 / 20 MPa の条件で計算
2. 実験データと比較
## 結果
| 圧力 (MPa) | 温度変化 (°C) | 熱伝導率 (W/mK) |
|---|---|---|
| 10 | 5 | 0.58 |
| 15 | 5 | 0.61 |
| 20 | 5 | 0.65 |
## 考察
- 透水係数が高いほど熱伝導率が上昇
- 実験とシミュレーションに差あり(要再検証)
## 次のステップ
- 透水係数を変えた追加データを取得

良い例・悪い例

良い悪い
日付と条件が明記されている「実験した」だけで条件が不明
結果が表・グラフで整理されている数値が散らばっている
考察と次のステップがある「データ取得した」で終わっている

Google Colaboratory のフォーマット例は Notion(データ管理)にあります。

AI との付き合い方(Tips)

このページのまとめ:Research Log は事実、Thinking Log はズレ / 自分の言葉で・続ける・探せる形で・1箇所に / 手段は各自、実例 A〜G から選ぶ / 実験・解析は詳細ログを別に残す / Thinking Log の違和感が Paper Card の Idea-0 になる。